続・竹林の愚人 縄文土器ガイドブック

縄文土器ガイドブック


縄文土器ガイドブック―縄文土器の世界縄文土器ガイドブック―縄文土器の世界
(2012/12/05)
井口 直司

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縄文土器をみると、あまりにいろいろな形と文様があることに驚かされます。
「縄文」という、縄を使ってつけた文様をみただけでも、地域で明らかなちがいがあります。
西日本では縄文時代の後期頃から縄文がなくなりますがに、関東では弥生時代中期まで、東北では古墳時代以降まで、北海道では中世(室町時代頃)まで縄文が残ります。
この現象は、西から東へと波及した弥生土器の浸透力に重なります。
また、縄文中期の土器群にはあまり縄文が用いられていません。

日本列島でもっとも古いとされる土器が登場するのは、1万2000年頃よりもさらに数千年さかのぼるといわれています。
その後、九州から青森までの範囲に、隆起線文とよばれる特殊な帯のような文様をもった土器群が日本列島に定着します〔縄文草創期中頃〕。
そして各地に根づいた土器群は大雑把な分布圏を形成するようになります〔縄文早期前半〕。
九州に貝殻文系土器群、西日本と東北に押型文系土器群、関東甲信越に縄文・撚糸文系土器群が成立し、しだいに関東甲信越を境にして西日本に押型文系土器群、東日本に貝殻文沈線文系土器群という、日本列島を東西に分ける分布圏を形づくるようになります。
つぎの〔縄文早期後半〕に、貝殻の緑を土器面に引きずるようにして施された条痕文様を特徴とする条痕文系土器群が、九州を除くほぼ日本列島全域に分布します。
その後、縄文土器群は日本列島各地で地域色を強めながら、形や文様の多様化が起こりはじめます〔縄文前期〕。
しだいに地域色がはっきりして、とりわけ関東甲信越地域で、隆起性に富んだ装飾文様を特徴とする土器群が誕生します〔縄文中期〕。
その後、特定の土器群が広い範囲に分布する傾向が強くなり、東日本の土器群は技巧をこらした文様を発達させ、西日本の土器群は無文化の傾向を強め、東西日本のちがいが目立つようになります〔縄文後期〕。                       
その後、東西土器群のちがいは、西日本の磨研土器、東日本の亀ヶ岡系土器に代表されるようになり、それはそのまま弥生土器を受け入れる基盤となるのです。

縄文土器は重い、持ちづらい、いったん火にかけたものを手軽に移動しづらいという特徴があります。
実験考古学によって、縄文土器が煮炊きの道具として発達した形跡が認められますが、具体的な利用方法はまだよくわかっていません。
縄文土器が日常の煮炊きに使われたものであるなら、なぜ土器の茶碗や皿がないのか、疑問は残ります。

縄文土器の特徴の一つに不可思議な動物文様があります。
動物の表現が最初に出現するのは、縄文前期の終わりから中期のはじめ頃のことです。
しかもそれは、関東・甲信という、日本列島の中央部の限られた地域である点が注目されます。
もっとも特徴的なのが顔面把手(人面把手)とよばれるもので、基本的な表現が共通していて、「顔面」の対象が同じであった可能性を高めています。

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  1. 2013/05/17(金) 07:00:44|
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