続・竹林の愚人 方言漢字

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方言漢字


方言漢字 (角川選書)方言漢字 (角川選書)
(2013/02/23)
笹原 宏之

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京都を歩くたびに、気になっていることの一つが、その「都」という漢字の姿だ。
「都」の気に掛かる姿とは、「都」の「者」の部分の「ノ」の起筆位置の低さである。
それは街中の看板や自動車のナンバープレート、はては路上の目印に至るまで溢れかえっていた。
隷書、行書、楷書、さらに各種のデザイン書体、ロゴマークと多彩だ。
この字体を目にする頻度は、首都とされる東京都内を歩くときに比しても明らかに高い。
日本道路公団が高速道路での可読性を高めるためとして使用した案内標識用の書体にもよく似たものがある。
ただ、京都では、その類の字体の公私を問わない使用媒体での出現数の多さと、この字体の使用の割合が高いと考えられる点から、一種の「地域文字」として位置付けることも可能ではないかと考えている。

地域文字 

「都」は、常用漢字であり、かつ教育漢字でもあるため、日本中でこの字体をしっかりと習う。
「者」は「土」にある下の「亠」のような部分の右寄りの箇所に「ノ」が長く交差するという、やや珍しい形態を備える。
「ナ」に近いともいえるが、「ノ」の起筆は微妙な位置から始まり、しかも長く伸びる。
このような「ノ」は一般に書きにくい。
さらに「阝」のせいで狭くなる。

そうした字体の特性から、この字をよく書く人々は、少しでも省力化を目指す。
実は中国でも伝統的な隷書や楷書、とくに行書に、写真と同様の「都」の字体が使われていた。
字体を簡易化しょうと図ってこの形が筆記で生じ、あるいは歴史的な書写体から選ばれ、日常的によく用いる京都の人々の間で継承されたのではないか。
この字体であれば、点画が比較的込み入らず、見やすいという利点もある。
そういうことからこの字を書く、デザインすることがまた個々に行われる。
それらの経済性と古雅な字体への審美眼、可読性の追求が発端となり相侯って、この字体は使用が重ねられ、地域の人々の目にも馴れ、それを見た住民がまた模倣するという影響の循環こそが、この字体が京都で多く呈される要因ではないか。

地域に顕著な珍しい形の漢字があっても、文字というものが人々の間で空気や水のように当たり前の存在であるため、地元の人々はむしろ気付きにくくなっている。
文字にも地域に根差した「京ことば・京訛り」のようなものがあり、かえって歴史豊かな「都」たるゆえんを示してくれているように思える。
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