続・竹林の愚人 韓流時代劇でたどる朝鮮王朝500年

韓流時代劇でたどる朝鮮王朝500年


韓流時代劇でたどる朝鮮王朝500年韓流時代劇でたどる朝鮮王朝500年
(2013/07/19)
康煕奉

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実は1990年代の前半まで、韓国時代劇はあまり人気がありませんでした。
その風向きが変わったのが1997年。
IMF危機で倒産が増え、街には失業者があふれました。
そんな人々を奮い立たせたのが韓国時代劇の傑作です。
『龍の涙』は最高で49.6%の視聴率を挙げて、韓国時代劇を再評価する機運を盛り上げました。

朝鮮王朝の歴史はかならずしも、正義が勝って悪が滅びるという結果になっていません。
歴史的に理不尽なことが度々起きていて、報われない人たちがたくさんいました。
それほど、「朝鮮王朝は不条理」なのです。
しかも、朝鮮王朝では身分制度が厳しく、男尊女卑も当たり前でした。
身分制度の一番上は両班で、彼らが支配層として権威主義的に威張っています。
一番下に追いやられているのが賤民で、奴婢、芸人、妓生などの人たちです。
しかし、最下層の身分ながら、自分の才覚で必死にのしあがっていこうとします。
そこにドラマ性が生まれる下地があり、韓国時代劇はそういう人たちを好んで登場させます。
苦しい境遇を脱して成功への道を歩むというのは、韓国が経済成長の道をひた走った軌跡と重なり、韓国の人に心地よいノスタルジーを呼び起こします。

韓国時代劇において顕著なのは、徹底的に「勧善懲悪」になっていることです。
これは、見る人の情に訴える意味でも共感を呼ぶ描き方だと思います。
しかも、現実には叶えられなかった自分たちの願い-正義が勝ち、悪は滅びる-をドラマを通して実現させようとする考えが、韓国時代劇の制作者の中に強くあります。
その結果、韓国時代劇は歴史に埋もれていたものを掘り起こす作業を繰り返すことになるのです。

朝鮮王朝を描く作品は「その時代のことを考証して各場面を再現する」と思われがちですが、事実は逆で、制作側は現代の視点で描くことを徹底させています。
とにかく、現代の人に見てもらうために今の生活にテンポを合わせているのです。

男尊女卑という問題も韓国時代劇では大きなテーマになっています。
朝鮮王朝の歴史を見れば、王妃や側室が自分の息子を主にするために権謀術数の限りを尽くしています。
「初めから女性を排除する社会」にあって、自分たちの抵抗の証として息子を王位につけ、摂政を通して強権を発動していったのです。
それは、男尊女卑に対する強烈な批判になっていました。

朝鮮王朝の政治を語るうえで、一番象徴的なのが「党争」だといわれています。
政治を動かす人たちが派閥を形成し、常に激しい争いをしていました。
それが「党争」ですが、結局、党争の根源は、官職の奪い合いなのです。
政治を王の外戚が牛耳ることを「勢道政治」と言いますが、党争はただ醜く争っているだけでなく、一族で政治を独占されるよりは、まだ腐敗防止に役立っていたのかもしれません。
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  1. 2013/08/19(月) 07:00:30|
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