続・竹林の愚人 ホノルルの街かどから

ホノルルの街かどから

ホノルルの街かどから   加藤 秀俊   『ホノルルの街かどから』 (中公文庫 ) (1979/01)

初版が出たのが1974年ですから、今から40年程前のハワイ本です。
著者の加藤秀俊氏は70年代の大学紛争で京大を去り、ハワイ大学東西文化センターの研究員となり、一家そろって1年間ホノルルで暮らしました。
その時の出来事を綴った本書にはハワイの良さに溢れています。
その中から少しばかり紹介します。

ワイは「常夏の国」だから、いつでも花が咲き乱れている1というイメージは、けっしてまちがいではない。
一年じゅう、花は咲いている。
しかし、じつさいに生活をしてみると、やっぱりこんな熱帯にも季節があり、そして植物たちもそれぞれのサイクルをきっちりとつくっているのだ、ということがよくわかる。
なるほど、花は絶えることがないのだけれど、11月から4月ごろまでは、どちらかといえば、淋しいのである。プルメリアの、特定の品種は細々と咲きつづけているし、ブーゲンビリアやジャスミンの小さな花も色どりをそえるが、花は、冬のあいだ品不足になる。
そんなわけで、冬のあいだは、ときどき、うちにもフラダンスの踊り子たちが花をとりにきた。

ところが、5月になると、とたんに、島ぜんたいが、文字どおりぐんと花やいでくる。
「ライオンのツメ」という朱色の花がさき、モンキー・ポッドもあざやかな色の花をつける。
ハイビスカスも咲く。プルメリアにいたっては、もう、うんざりするほど咲く。
咲くそばから、ぽろぽろと散り落ち、あとからあとから咲きつづける。
ちょっと風でも吹こうものなら、木の下は花びらでいっぱいになる。
プルメリア
マンゴ 花だけではない。五月のなかはすぎからマンゴの実が熱して、食べごろになる。
このマソゴという果物、正しくはマンゴというよりは、メンゴという発音にちかいのだが、これが、まさしく鈴なりなのである。
実が青いうちは、葉の色とおなじだから、べつに目立たないのだけれども、だんだんとオレンジ色になり、さいごにはリンゴとおなじような赤い色になる。そうなると、壮観である。
なにしろ、住宅の庭にいっぱいこの木が植えられているのであるから、ホノルルの荷じゅうがマンゴの大洪水になってしまうのだ。
5月のハワイは花でいっぱい。こう改めて指摘されると、なるほどなと思います。 
図らずも、5月のゴールデンウィーク後に訪れることを常としています。 
理由は簡単、旅費が比較的安価で済むからですが、最高のシーズンでもあったのですね。
ホノルルの食べもの屋のなかでおもしろいのは「おかず屋」である。
日系の人の多い地区に目立つが、よくさがしてみると、ハワイじゅう、いたるところにこれがある。
看板はOKAZUYAとローマ字で書かれており、ハワイにながくいる人のあいだではすでに、オカズヤ、ということほぼ市民権を得ている。 おかず屋  「おかず屋」とはなにか。
ひとことでいえば、日本の大衆食堂をキャフヱテリア方式にした和洋折ちゅうの食堂である。
規模はそれほど大きなものでなく、しばしば、20人ほどで満員、といった小食堂だ。 P1090507.jpg  なかにはいると、ガラスのケースがならぴ、大きなステソレスの器のなかに、数種類の「おかず」がほいっている。
それは、たとえば、鶏と野菜の煮つけであったり、煮魚であったり、あるいは豆腐であったり、じつにさまざまだが、要するに、日本の標準的な家庭料理のメーニーである。
お客は、それらのメニューのなかで、好みのものを指さし、一枚のお皿に盛りつけてもらう。
店にもよるけれど、一般的な方法としては、好きなもの二品にご飯がついて1ドル35セント、といった均一料金。
味噌汁(ミソ・スープ、とローマ字で書いてある)などは別料金だが、なにをとってみても、きわめて大衆的な値段だ。
価格こそ時代を感じさせますが、今も変わりませんね。
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テーマ:ハワイ - ジャンル:海外情報

  1. 2016/04/26(火) 22:02:00|
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